「そのうち移行しよう」と思いながら、気づけば数ヶ月経っていませんか?
Shopifyは2026年2月26日、「従来のお客様アカウント」の非推奨化を正式に発表しました。そして公式のアナウンスには、こう明記されています。
「A final sunset date for legacy customer accounts will be announced later in 2026.」
(従来のお客様アカウントの完全廃止日時は、2026年後半に発表される予定です)
つまり、廃止は「いつか」ではなく、「発表がいつか」という段階に来ています。発表されてから動こうとしても、間に合わないケースが出てきます。
この記事では、移行を後回しにしているストアが今どのような状況に置かれているかを整理し、準備のために最初に確認すべきことをお伝えします。
この記事はシリーズ③です。①②を先にご確認ください:
目次
- Shopifyが公式に言っていること:現状の整理
- 廃止期限が発表されてから動こうとすると何が起きるか
- 移行を後回しにしているあいだに差がついている
- 移行前に最低限確認しておくべきポイント
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
1. Shopifyが公式に言っていること:現状の整理
2026年2月26日のShopify Changelogには、以下の内容が明記されています。
Shopify公式アナウンスの内容(2026年2月26日)
- 新規ストアおよび未使用の既存ストアへの「従来のお客様アカウント」の提供が終了
- 機能アップデートおよび技術サポートをすでに終了
- 完全廃止の日時は2026年後半に発表予定
- Shopifyは「できるだけ早く新しいお客様アカウントへの移行」を強く推奨
注意したいのは、技術サポートと機能アップデートはすでに終了しているという点です。廃止日時の発表を待っている状態ではなく、すでにメンテナンス対象外のシステムを使い続けている状態です。
管理画面の「設定 > お客様アカウント」を開いたとき、黄色いバナーが表示されているストアは、この状態に該当します。
2. 廃止期限が発表されてから動こうとすると何が起きるか
「期限が発表されたら動けばいい」という考え方には、実際には見落としがちなリスクがあります。
移行は「アップグレードするボタンを1回押せば完了」というものではありません。ストアの状況によっては、移行前に以下のような確認と対応が必要になります。
- 現在のマイページに施しているカスタマイズの洗い出し
- 使用中のアプリが新しいお客様アカウントに対応しているかの確認
- 対応していないアプリの代替手段の検討
- 移行後の動作確認とお客様へのご案内
これらを整理・対応するには、一定の時間が必要です。Shopifyが廃止日時を発表してから動き始めた場合、余裕を持って準備できるとは限りません。
注意:移行は「ボタンを押す前の準備」が本番です
「アップグレードする」ボタンを押す作業そのものは数秒で完了しますが、移行をスムーズに進めるためには事前の棚卸しと確認が必要です。この準備が不十分なまま移行すると、マイページの表示崩れや機能の欠落が発生する場合があります。
「何から確認すればいいか分からない」「自社のカスタマイズが移行後も維持できるか不安」という場合は、現状の整理からサポートします。
3. 移行を後回しにしているあいだに差がついている
もう一つ見ておきたいのが、新しいお客様アカウントに追加され続けている機能です。
Shopifyは新しいお客様アカウントに対して、継続的に機能を追加しています。一方、従来のお客様アカウントには今後、機能追加も技術サポートも行われません。
直近の例として、2026年5月に新しいお客様アカウント向けに追加された機能があります。
📌 2026年5月追加:サインインページのカスタマイズ
新しいお客様アカウントでは、ログインページのデザインをエディタ上でカスタマイズできるようになりました。2カラムレイアウトで、右側にブランドイメージに合った背景画像を設定できます。ロゴだけでなく、ビジュアルでブランドを表現できる機能です。
従来のお客様アカウントでは利用できません。
このほか、新しいお客様アカウントにはすでに以下の機能が含まれています:
- パスワードレスログイン:メールアドレスと6桁のワンタイムコードでログイン。パスワード忘れによる問い合わせや離脱を防止
- ストアクレジット:Shopify標準機能としてネイティブ対応
- セルフサービス返品:お客様自身がマイページから返品リクエスト可能
- ソーシャルログイン:Google・Facebook・Shop Payでのログインに対応
- B2B対応:法人向け注文にも標準対応
これらの機能は、従来のお客様アカウントを使い続けている間は利用できません。移行を後回しにするほど、お客様の利便性の差が広がっていきます。
4. 移行前に最低限確認しておくべきポイント
廃止日時の発表が近づいてから慌てないために、今のうちに把握しておくべきことがあります。移行の手順を今すぐ実行する必要はありませんが、以下の点は早めに確認しておくことをおすすめします。
Liquidコードで変更を加えている箇所、独自のデザインやレイアウト変更がある場合は、その内容をリストアップしておきます。新しいお客様アカウントへの移行後、同等の機能をアプリで代替できるかどうかの判断材料になります。
マイページに表示している機能(ポイント、レビュー、会員証など)を提供しているアプリが、新しいお客様アカウントに対応しているかを確認します。対応していない場合は代替アプリの検討が必要になります。
ShopifyとLINEを連携しているストアでは、ID連携の仕組みが新しいお客様アカウントで変わります。使用中の連携アプリが対応済みかどうかを事前に確認しておくことで、移行後のトラブルを防げます。
これらの確認が完了した上で、移行のタイミングと手順を検討するのが、スムーズな移行への近道です。
5. よくある質問(FAQ)
Q1: 今すぐ移行しないといけませんか?
A: 今すぐ移行必須ではありませんが、2026年後半に廃止日時が発表される予定です。発表後に慌てて動くのではなく、事前に準備の棚卸しだけでも進めておくことをおすすめします。
Q2: 移行するとお客様データは消えますか?
A: 購入履歴や顧客プロフィールのデータは保持されます。お客様が次回ログインする際に、パスワードの代わりにワンタイムコードを使うようになるだけです。
Q3: 移行してみて合わなければ元に戻せますか?
A: アップグレード後30日以内であれば、管理画面から従来のお客様アカウントに戻すことができます。ただし、この猶予期間を過ぎると元に戻せなくなりますので注意が必要です。詳しくは②の記事をご確認ください。
Q4: マイページのデザインを今カスタマイズしていますが、移行後はどうなりますか?
A: 新しいお客様アカウントでは、Liquidコードによる直接編集ではなく、アプリブロックを使ったノーコードのカスタマイズに変わります。現在のカスタマイズ内容によっては、対応アプリへの切り替えが必要になる場合があります。
Q5: 移行の費用はかかりますか?
A: 移行自体に費用はかかりません。ただし、カスタマイズを再現するために有料アプリが必要になるケースがあります。現在のカスタマイズ内容によって変わるため、事前の確認が重要です。
6. まとめ
この記事のポイント
- 従来のお客様アカウントは非推奨化済み。技術サポートと機能追加はすでに終了
- Shopifyは「2026年後半に廃止日時を発表する」と公式に明言している
- 廃止期限の発表後に動き始めると、準備時間が足りなくなるリスクがある
- 新しいお客様アカウントには機能が追加され続けており、移行が遅いほど差が広がる
- 今すぐ移行しなくても、カスタマイズの棚卸しとアプリ確認だけは今のうちに
「自社のカスタマイズが移行後も維持できるか確認したい」
「何から手をつければいいか整理してほしい」
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