取得した誕生日情報を、
LINEなどのCRMツールで実際に配信する方法
前回の記事では、誕生日を配信に使える形で持つための考え方を整理しました。この記事はその続きで、集めた誕生日を使って、実際にLINEでお祝いを届ける話です。
誕生日の集め方や設定は、アプリの公式ドキュメントに詳しくまとまっています。AL CustomerMetaSyncのドキュメントは、誕生日を集めて、キャンペーンやメールマーケティングなどに「活用する準備が整う」ところまでを案内しています。CRM PLUS on LINEのマニュアルにも、「1月誕生日」のタグで配信先を絞る設定例が載っています。
その間にあたる、集めた誕生日を、いつ、どの条件で、取りこぼさずに届けるかは、ストアごとに組み立てる部分です。この記事では、その組み立て方を扱います。
出典:プロフィール・サンキューページで誕生日と性別を取得しよう(AL CustomerMetaSync公式ドキュメント)
出典:Shopify上の顧客データでセグメント配信(CRM PLUS on LINE設定マニュアル)
誕生日の配信には、毎月1日にその月が誕生月のお客様へまとめて送る方法と、誕生日の当日に送る方法があります。私は、毎月1日にまとめて送る形をおすすめしています。
毎月1日に送る形では、月の途中で誕生日を登録したお客様を取りこぼさないことと、同じお客様に2回届かないことが、設計のポイントになります。
この記事では、毎月1日をおすすめする理由と、実際にShopify Flowで組んで動かしている仕組みを紹介します。設定の手順は、それぞれの公式ドキュメントに譲ります。
▼実際にLINEで届けた、お誕生日のメッセージの2パターン
お祝いの気持ちだけを届けるパターンと、その月のうちに使えるクーポンを添えるパターンがあります。
あわせて読みたい:誕生日データの持ち方
誕生日を配信に使える形で持つ考え方と、書き換えを防ぐ設定は、こちらの記事で整理しています。
1. 誕生日の配信は、2つのタイミングから選ぶ
誕生日のお祝いを届けるタイミングは、大きく分けて2つです。
| 比較項目 | 毎月1日にまとめて送る | 誕生日の当日に送る |
|---|---|---|
| 送る回数 | 月に1回 | その日が誕生日のお客様がいれば、毎日 |
| クーポンの期限 | 「その月のうち」のように月単位で決めやすい | 誕生日を起点に、お客様ごとに決めることになる |
| お祝いの伝わり方 | 「お誕生日の月」としてお祝いする | 誕生日そのものに合わせてお祝いできる |
| 月の途中で登録したお客様 | 別の仕組みで拾う必要がある | 誕生日が来れば対象になる |
当日に届ける形には、誕生日そのものに合わせてお祝いできる良さがあります。Shopifyのセグメントには年を考慮しない記念日の条件があり、「今日が誕生日」のお客様で絞ることもできます。
出典:Shopify-based customer segment filters(Shopifyヘルプセンター公式・英語。Anniversaryの項)
2. 毎月1日にまとめて送る理由
私が毎月1日を選んでいるのは、誕生日の当日は、ストアからのメッセージが埋もれやすい日だと考えているからです。
- ほかのお店のメルマガや、ほかのLINE公式アカウントからも、お祝いの通知が届きやすい
- ご本人が忙しく、LINEをゆっくり見る時間がないことがある
- 家族や友人からのメッセージにまぎれて、ストアからのメッセージが目に入りにくい
月初に届けば、クーポンやポイントを、その月のうちに都合のよいタイミングで使ってもらえます。
ただ、これは私の運用上の判断です。数字で比べた結果ではありません。商品やお客様の層によっては、当日に届けるほうが合うストアもあります。
3. 仕組みは、Shopify Flow 2本で組む
ここからが、集めた誕生日を実際の配信につなげる部分です。実際に組んで動かしている形は、Shopify Flowを2本使うものです。
スケジュールで動くトリガーを使い、毎月1日に、今月が誕生月のお客様へLINEを送ります。
1日以降に誕生日が登録され、今月が誕生月であれば、そのままLINEを送ります。
1本目で使うShopify Flowのスケジュールトリガー(Scheduled time)は、日付と時刻を決めてワークフローを動かすトリガーです。毎月決まった日にくり返す設定ができます。
出典:Scheduled time(Shopifyヘルプセンター公式・英語)
2本目で誕生日の登録を受け取るのは、AL CustomerMetaSyncのトリガーです。会員情報登録フォーム、プロフィールページ、サンキューページ、注文状況ページでフォームが送信されたときに、Shopify Flowを動かせます。
出典:Shopify Flowと連携しよう(AL CustomerMetaSync公式ドキュメント)
LINEを送るのは、CRM PLUS on LINEがShopify Flowのアクションとして用意しているメッセージ配信です。テキストメッセージやFlexメッセージを送れて、配信の時刻も指定できます。
出典:Shopify Flowの設定画面上で、LINEのメッセージ配信時間を指定する方法と注意点(CRM PLUS on LINE設定マニュアル)
AL CustomerMetaSyncで集めた誕生日を、CRM PLUS on LINEの配信の条件に使う、というデータの流れです。2つのアプリがShopifyの顧客データとShopify Flowを通じてつながっています。
誕生日が過ぎていても、今月が誕生月なら送る
2本目のFlowでは、誕生日がすでに過ぎていても、今月が誕生月であれば送ると決めています。たとえば10月20日に「10月13日生まれ」と登録されたお客様にも、「今月はお誕生日の月」として、クーポンやポイントでお祝いします。
当日ではなく月のお祝いにしておくと、登録した日によって送るかどうかで迷わずに済みます。1本目のFlowで届くお客様と、同じ内容のお祝いにそろえられます。
4. 同じお客様に2回届かないようにする
Flowを2本使う形では、同じお客様にお祝いが2回届かないようにする工夫が欠かせません。ここでは2つの仕組みで防いでいます。
誕生日は1度だけ入力できるようにする
2本目のFlowは、フォームが送信されるたびに動きます。お客様が誕生日を何度も入力し直せる状態だと、そのたびにFlowが動き、お祝いが何度も届く原因になります。
そこで、誕生日は1度だけ入力できる形にしています。
- 誕生日を聞く場所は、会員情報登録フォーム、プロフィールページ、サンキューページなどに用意しておく
- 1度入力されたら、フォームが表示されないようにする
- お客様側で、入力した誕生日を変更できないようにする
AL CustomerMetaSyncでは、会員情報登録フォームを1度送信したお客様には、次回以降フォームが表示されません。サンキューページでは、すでに回答済みの項目は表示されません。プロフィールページでは、「データがなければ1度だけ編集を許可」を選べます。
出典:よくある質問(会員情報登録)(AL CustomerMetaSync公式ドキュメント)
出典:プロフィール・サンキューページで誕生日と性別を取得しよう(AL CustomerMetaSync公式ドキュメント)
出典:フォームの詳細設定(AL CustomerMetaSync公式ドキュメント)
送ったお客様にタグを付けて、次の配信から外す
もう1つ気をつけたいのが、毎月1日の配信時刻より前に、その日のうちに誕生日が登録された場合です。
たとえば1本目のFlowを10時に動かす設定で、10月1日の9時に「10月13日生まれ」と登録されたお客様には、2本目のFlowでLINEが届きます。このままだと、10時の配信でもう一度届いてしまいます。
そこで、LINEを送ったお客様にはタグを付け、1本目のFlowは「このタグがないお客様」に送る条件にしています。9時に受け取ったお客様は、10時の配信の対象から外れます。
注意:タグを翌年に持ち越さない
送ったお客様に付けたタグが残ったままだと、翌年の誕生月の配信からも外れてしまいます。タグ名に年を入れる、年に一度外すなど、翌年どう扱うかを決めておく必要があります。
「取りこぼしや重複が出ない配信の条件を、自分で組むのが不安」という場合は、現状の整理からサポートします。
5. 誕生月のお客様が多いときは、取得件数に気をつける
1本目のFlowでは、今月が誕生月のお客様をまとめて取得してから、1人ずつLINEを送ります。このお客様をまとめて取得するアクション(Get customer data)は、1回に取得できるのが最大100件までです。
出典:Get customer data(Shopifyヘルプセンター公式・英語)
誕生月のお客様が100人を超えそうな場合は、スケジュールを複数用意し、時間をずらして動かします。スケジュールトリガーは1つのワークフローに複数のスケジュールを追加でき、くり返しの間隔は最短で10分です。
出典:Scheduled time(Shopifyヘルプセンター公式・英語)
ここで、送ったお客様に付けるタグがもう一度役に立ちます。タグがないお客様だけを取得するようにしておけば、2回目のスケジュールでは101件目以降のお客様を取得でき、同じお客様を取り直しません。Shopifyの公式テンプレートにも、処理済みのお客様にタグを付けて次の実行で取得しないようにする例が載っています。
出典:Get customer data(Shopifyヘルプセンター公式・英語。Templatesの項)
もう1つ、配信通数にも気をつけたいところです。CRM PLUS on LINEとShopify Flowで送るメッセージは、LINE公式アカウントのプランで決まっている配信通数に数えられます(LINE通知メッセージを除く)。上限に達していると、LINEは配信されません。
出典:Shopify Flowで設定したLINE通知が配信されない(CRM PLUS on LINEトラブルシューティング)
6. LINEで届かないお客様には、メールでも届けられる
LINEでお祝いを届けられるのは、LINEのID連携をしているお客様です。CRM PLUS on LINEのセグメント配信も、LINEのID連携をしたお客様だけが対象です。
出典:Shopify上の顧客データでセグメント配信(CRM PLUS on LINE設定マニュアル)
LINEのID連携をしていないお客様にも誕生日のお祝いを届けたい場合は、メールで届ける方法もあります。「今月が誕生月」「送ったらタグを付ける」という考え方は、メールの配信でもそのまま使えます。
LINEとメールの両方を使う場合は、同じお祝いが二重に届かないように、どちらで届けるかの条件をそろえておくと安心です。
7. よくある質問(FAQ)
Q1: 誕生日の当日に送るほうが合うストアもありますか?
A: あります。商品やお客様の層によっては、誕生日そのものに合わせて届けるほうが合う場合もあります。Shopifyのセグメントには年を考慮しない記念日(anniversary)の条件があり、「今日が誕生日」のお客様で絞ることもできます。
Q2: 誕生日がすでに過ぎてから登録したお客様にも送りますか?
A: 私は、今月が誕生月であれば送る形にしています。たとえば10月20日に「10月13日生まれ」と登録されたお客様にも、「今月はお誕生日の月」としてお祝いします。当日のお祝いではなく月のお祝いにしておくと、登録した日によって送るかどうかで迷わずに済みます。
Q3: 誕生月のお客様が100人を超える場合はどうすればよいですか?
A: Shopify Flowでお客様をまとめて取得するアクションは、1回に最大100件までです。スケジュールを複数用意して時間をずらして動かし、送ったお客様に付けたタグで取得済みのお客様を外していくと、101件目以降も順に届けられます。
Q4: 誕生日を間違えて登録したお客様がいた場合はどうなりますか?
A: 誕生日を1度だけ入力できる設定にしていると、お客様自身では変更できません。ストア側で値を直すことになりますが、管理画面で直してもフォームが送信されたわけではないため、途中登録用のFlowは動きません。直したあとにお祝いを送るかどうかは、個別に判断することになります。
Q5: LINEのID連携をしていないお客様はどうなりますか?
A: LINEの配信は、LINEのID連携をしたお客様にしか届きません。同じ「今月が誕生月」の考え方はメールの配信でも使えるので、LINEで届かないお客様にはメールで届ける方法もあります。その場合は、LINEとメールの両方で同じお祝いが二重に届かないように気をつけてください。
8. まとめ
誕生日は、集めるところまでで止まってしまいやすい情報です。配信までつなげるには、届けるタイミングを決めて、取りこぼしと重複を防ぐ仕組みを一緒に用意しておく必要があります。
この記事のポイント
- 公式ドキュメントは誕生日の集め方が中心。集めたあと、いつ・どの条件で届けるかはストアごとに組み立てる
- 誕生日の当日は、ストアからのメッセージが埋もれやすい。私は毎月1日にまとめて送る形をおすすめしている
- Shopify Flowは2本。毎月1日に送る1本と、月の途中で登録されたお客様に送る1本
- 誕生日が過ぎていても、今月が誕生月なら「お誕生日の月」としてお祝いする
- 誕生日は1度だけ入力できる形にして、途中登録用のFlowが何度も動かないようにする
- 送ったお客様にはタグを付けて、毎月1日の配信から外す。タグは翌年に持ち越さない
- お客様をまとめて取得するアクションは1回に100件まで。多い場合はスケジュールを分ける
誕生月のお客様の人数や、LINEとメールの使い分けによって、組み方は変わります。自分のストアではどう組むか、誕生月のお客様の人数と、届ける手段から考えてみてください。
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AL CustomerMetaSyncでお客様情報を集める考え方と、サンキューページでの配置の決め方は、こちらの記事で整理しています。
誕生日の配信についてお悩みはありませんか?
この記事で、誕生日のお祝いを毎月1日に届ける仕組みと、取りこぼしや重複を防ぐ考え方はご理解いただけたかと思います。
しかし、「自分のストアではどう条件を組めばいいのか」「すでに動いている配信に重複がないか」「LINEとメールをどう使い分けるか」といった疑問も残っているかもしれません。
こんなお悩みはありませんか?
- 「誕生日は集めているけれど、お祝いの配信までつなげられていない」
- 「月の途中で登録したお客様に、お祝いが届いているか分からない」
- 「Shopify Flowで配信を組んでみたが、重複が出ないか不安」
集めたお客様情報を、お祝いや配信にどうつなげるか。
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