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サンキューページ設計術 限られたスペースで最大の効果 ALアプリ × LINE連携

サンキューページでの顧客データ収集設計:
AL CustomerMetaSync × CRM PLUS on LINEの配置順序と運用設計

ShopifyのサンキューページとプロフィールページでAL CustomerMetaSyncとCRM PLUS on LINEを組み合わせて顧客データを収集する場合、表示する情報の優先順位と配置順序が、その後の運用に影響を与えます。

特に、スマホでサンキューページを閲覧する顧客が多い現在、ファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)に何を表示するかを慎重に設計する必要があります。また、サンキューページとプロフィールページにはそれぞれ3つのエリアがあり、各エリアに最大3つまで(合計9つまで)のアプリブロックしか配置できないという技術的制約があります。

この記事では、ベビー服ECサイトを例に、サンキューページとプロフィールページでの実践的なアプリブロック配置設計を、実際の検証結果を踏まえて解説します。

AL CustomerMetaSyncのサンキューページ設定を解説した記事

1. なぜサンキューページでの情報収集が注目されているのか

サンキューページは、購入直後の顧客エンゲージメントが高いタイミングです。購入完了の達成感により、顧客は通常よりも積極的に情報提供や追加のアクションを取る傾向があると言われています。

サンキューページでのデータ収集が注目される理由

  • 購入直後の達成感: 購入完了の喜びにより、追加のアクション(情報入力、LINE連携)をしてもらいやすい
  • リアルタイム性: 購入時点での最新情報を取得できる
  • LINE連携の促進: 「今すぐ特典がもらえる」訴求により、その場でLINE連携を促せる
  • セグメント配信の基盤: 収集したデータを基に、購入直後から精度の高いセグメント配信が可能

プロフィールページとの比較

プロフィールページ(マイページ)は、顧客が能動的にアクセスする必要があり、サンキューページに比べて閲覧頻度が低い傾向があります。そのため、サンキューページでの情報収集が、より効率的な手段として注目されています。ただし、プロフィールページでの設定も無視できません。


2. スマホのファーストビュー制約:限られたスペースの取り合い

多くのShopifyストアでは、購入者の多くがスマートフォンから閲覧しており、サンキューページも例外ではありません。スマホでのファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)は限られており、この範囲に何を表示するかが極めて重要です。

スマホのファーストビューに収まる情報量

Shopifyのサンキューページでは、以下の要素がデフォルトで表示されます:

  • 注文番号と「ご注文ありがとうございます」メッセージ
  • 配送先住所の確認
  • 注文商品の一覧

これらのデフォルト要素に加えて、アプリブロックを配置すると、ファーストビューに収まる情報量はさらに限られます。

重要な考慮点

ファーストビューより下にあるコンテンツは、顧客がスクロールしない限り見ることができません。下部までスクロールして見てもらえるとは期待できないため、表示する情報の優先順位を慎重に決める必要があります。


3. サンキューページとプロフィールページの技術的制約:アプリブロック数の制限

サンキューページとプロフィールページには、アプリブロックを配置できる数に制限があります。

サンキューページの構造

サンキューページには、以下の3つのエリアがあります:

  1. 確認エリア
  2. 注文状況エリア
  3. 注文詳細エリア

各エリアには、最大3つまでのアプリブロックを配置できます。つまり、合計で最大9つのアプリブロックが配置可能です。

▼サンキューのカスタマイズ画面

プロフィールページの構造

プロフィールページ(新しいお客様アカウント)または マイページ(以前のバージョン)にも、同様に3つのエリアがあります:

  1. メインエリア(最も上部に表示、スマホで最も見やすい)
  2. お客様連絡先エリア(中間に表示)
  3. 住所エリア(下部に表示)

こちらも各エリアに最大3つまでのアプリブロックを配置できます。つまり、ここでも合計で最大9つのアプリブロックが配置可能です。

▼プロフィールのカスタマイズ画面

技術的制約

これはShopifyのチェックアウトエディタの仕様による制約です。各エリアに3つ以上のアプリブロックを配置することはできません。 この制約を理解した上で、どのアプリブロックをどのエリアに配置するかを設計する必要があります。


4. 収集する情報の設計:ベビー服ECサイトの例

今回は、ベビー服ECサイトを例に、以下の情報を収集する設計を考えます。

収集する情報

項目 データ型 表示条件
①お子様の誕生日 date型 未回答の場合のみ表示
②LINE連携ボタン - 未連携の場合のみ表示
③受け取りたいLINE情報のアンケート 複数選択(4項目) リピータータグ + LINE連携済みの場合のみ表示

③のアンケート項目詳細

  • □ 新商品情報
  • □ セール・キャンペーン情報
  • □ サイズアップのタイミング通知
  • □ 季節ごとのコーディネート提案

この複数選択アンケートは、リピーター(2回目以降の購入者)で、かつLINE連携済みの顧客にのみ表示します。初回購入者には、まず基本情報(誕生日)とLINE連携を優先します。

なぜ誕生日情報を優先するのか

誕生日施策(誕生日の30日前にクーポン配信など)は、多くのECサイトで実施されている施策であり、お問い合わせでもよく要望される機能です。そのため、多くのストアで需要があると考えられます。ただし、どの情報を最優先で収集するかは、各ストアのCRM戦略によって異なります


5. サンキューページでの配置順序の検証結果

サンキューページでアプリブロックを配置する際、順序が非常に重要です。なぜなら、配置順序によって顧客の行動フローが変わるためです。

検証した2つのパターン

パターンA:誕生日 → LINE連携ボタンの順序

顧客の行動フロー:

  1. お子様の誕生日を入力(そのままサンキューページに留まる)
  2. すぐ下にあるLINE連携ボタンをタップ
  3. 別タブでLINE連携が完了

結果:

  • 誕生日入力とLINE連携、両方のデータが取得できる可能性が高い
  • 誕生日入力は同じページ内で完結するため、顧客はそのまま次のアクション(LINE連携)に進みやすい

パターンB:LINE連携ボタン → 誕生日の順序

顧客の行動フロー:

  1. LINE連携ボタンをタップ
  2. 別タブでLINE連携が完了
  3. 連携完了後は注文ページが表示される、一部の顧客はそのまま離脱
  4. 仮にサンキューページに戻っても、スクロールして誕生日入力欄を探し、入力する顧客は限られる

結果:

  • LINE連携は完了するが、誕生日データの取得率が下がる可能性がある

設計ポイント

CRM PLUS on LINEのLINE連携ボタンをクリックすると、別タブでLINE連携画面が開きます。 連携完了後、すべての顧客が元のサンキューページに戻るわけではありません。そのため、LINE連携ボタンよりも上部に配置した要素のみ、確実にアクションしてもらいやすいと考えられます。

検証結果に基づく推奨配置順序

推奨配置順序

  1. ①お子様の誕生日(AL CustomerMetaSync)
  2. ②LINE連携ボタン(CRM PLUS on LINE)
  3. ③LINEで受け取りたい情報のアンケート(AL CustomerMetaSync)

この順序により、誕生日入力 → LINE連携 → アンケート回答という流れを作り、各ステップでの離脱を最小限に抑えることを期待できます。

③のアンケートの配置について

③のLINEで受け取りたい情報のアンケートは、リピーター(2回目以降)かつLINE連携済みの顧客にのみ表示されます。この条件では、①と②はすでに非表示となっているため、③がファーストビューに表示されます。

▼LINE連携済みかつリピーター用のサンキューページ
*アンケートのみ表示する



6. ALアプリとLINE連携を連動させるテキスト設計

異なるアプリ(AL CustomerMetaSyncとCRM PLUS on LINE)を組み合わせて使用する場合、上に配置するアプリブロック内のテキストで、下にあるLINE連携ボタンに言及することで、顧客の行動を自然に促すことができます。

具体的なテキスト設計例

①お子様の誕生日入力フォーム(AL CustomerMetaSync)

未連携の顧客向けテキスト:

表示テキスト例

お子様の誕生日を教えてください🎂
誕生日の30日前に、特別なクーポンをプレゼントします!
【重要】クーポンはLINEで通知されます。下記のLINE連携ボタンから連携してください。

連携済みの顧客向けテキスト:

表示テキスト例

お子様の誕生日を教えてください🎂
誕生日の30日前に、LINEで特別なクーポンをお届けします!

このように、未連携の顧客にはLINE連携を促すテキストを表示し、連携済みの顧客には通常のテキストを表示することで、顧客の状況に応じた適切な案内ができます。

タグを使った出し分けの実装

AL CustomerMetaSyncでは、顧客タグを使った条件分岐が可能です。今回のケースでは、以下のように実装します:

  • 顧客タグ`line`が付いていない場合: LINE連携を促すテキストを含むブロックを表示
  • 顧客タグ`line`が付いている場合: 通常のテキストのみのブロックを表示

両者のアプリにとってのメリット

この設計により、以下のメリットがあります:

  • AL CustomerMetaSyncにとって: 誕生日情報などの取得率が向上
  • CRM PLUS on LINEにとって: LINE連携率が向上
  • ストアにとって: 誕生日などの情報とLINE連携の両方を効率的に取得でき、誕生日施策をLINEで実施できる

7. プロフィールページでの配置設計と優先順位の考え方

プロフィールページでは、サンキューページと同じアプリブロックを設置しますが、メインエリアに3つ、他のエリアに必要に応じて配置という制約を考慮します。

今回のケースでの問題点

今回、以下のアプリブロックを配置する必要があります:

  • AL CustomerMetaSync: 誕生日入力(未回答時のみ表示)
  • AL CustomerMetaSync: LINEで受け取りたい情報のアンケート(リピーター + LINE連携済み時のみ表示)
  • AL CustomerMetaSync: その他の顧客情報収集フォーム(例:お子様の名前、性別など)
  • CRM PLUS on LINE: LINE連携ボタン(未連携・連携のどちらの場合でも常時表示

合計4つのアプリブロックが必要ですが、メインエリアには3つまでしか配置できません。

優先順位の考え方

スマホで最も見やすい「メインエリア」に、どのアプリブロックを配置するかは、ストアのCRM戦略によって異なります。以下は、ベビー服ECサイトでの例です。

配置例

メインエリア(最優先の3つ):

  1. お子様の誕生日
  2. LINE連携ボタン
  3. LINEで受け取りたい情報のアンケート

お客様連絡先エリア(4つ目):

  • その他の顧客情報収集フォーム(例:お子様の名前、性別など)

この配置により、最も重要な情報(誕生日、LINE連携、アンケート)を「メインエリア」に集約し、スマホでの視認性を確保できます。

どの情報を最優先で収集すべきか

これは各ストアが判断すべき事項ですが、以下の基準で考えることができます:

  • セグメント配信への影響度: その情報が、どれだけ精度の高いセグメント配信に繋がるか
  • CRM施策への活用度: その情報が、どれだけ自動化施策(Shopify Flow)に活用できるか
  • 顧客にとっての価値: その情報を提供することで、顧客が受け取るメリット(特典、パーソナライズされた情報)

8. サンキューページでスペースが足りない場合の代替案

サンキューページのファーストビューには限りがあるため、すべての情報を一度に表示するのは現実的ではありません。特に、複数選択アンケートのように縦幅を取る要素は、ファーストビューを圧迫します。

代替案:LINE経由でプロフィールページへ誘導

LINE連携済みの顧客には、LINEを通じて後日アンケートを送信し、プロフィールページで回答してもらうという方法があります。

具体的なフロー:

  1. サンキューページ: 誕生日入力 + LINE連携ボタンのみ表示(ファーストビューに収まる)
  2. LINE配信(購入から3日後): 「より良い情報をお届けするため、アンケートにご協力ください」とメッセージ配信
  3. プロフィールページへのリンク: LINEメッセージやリッチメニュー内に、プロフィールページへのリンクを設置
  4. プロフィールページ: アンケート(複数選択)を表示し、回答してもらう

この方法のメリット

  • サンキューページがスッキリ: ファーストビューに収まる情報量に調整できる
  • サイトへの再訪問を促す: LINE経由でサイトに戻ってきてもらうことで、再度商品を見てもらう機会を作れる
  • プロフィールページの活用: プロフィールページにまだアプリブロックの上限に余裕がある場合、AL CustomerMetaSyncを活用できる

Shopify Flowでの自動配信設定例

トリガー: 注文完了から3日後
条件: 顧客タグ`line`が付いている かつ アンケート用の顧客メタフィールドが空欄
アクション: CRM PLUS on LINEでLINE配信
メッセージ内容:

LINE配信メッセージ例

こんにちは!ご購入ありがとうございました🎉

より良い情報をお届けするため、簡単なアンケートにご協力ください(30秒で完了)

▼ こちらからご回答ください
[プロフィールページへのリンク]


まとめ:運用者目線での構築と運用方法

サンキューページとプロフィールページでの顧客データ収集は、UI/UXの制約を理解した上で、顧客の行動フローを考慮した設計が重要です。

本記事の重要ポイント

サンキューページでの設計ポイント

  • スマホのファーストビューは限られている: 下部までスクロールして見てもらえるとは期待できない
  • 配置順序を慎重に: 「誕生日入力 → LINE連携ボタン」の順序で、両方のデータ取得を目指す
  • LINE連携ボタンは別タブ遷移: LINE連携ボタンより下の要素は、アクションされにくい可能性がある
  • ALアプリとLINE連携を連動させる: 上のアプリブロックで下のLINE連携ボタンに言及し、行動を促す
  • スペースが足りない場合: LINE経由でプロフィールページへ誘導し、後日アンケートに回答してもらう

プロフィールページでの設計ポイント

  • アプリブロックは最大9つ(3エリア×各3ブロック): Shopifyの仕様による制約
  • メインエリアが最優先: スマホで最も見やすい位置に、最重要の3つを配置
  • 優先順位はストアが判断: どの情報を最優先で収集するかは、CRM戦略によって異なる

運用者目線での重要性

今後、ECサイトの運営において、どのような情報を取得するのか、どこに表示させるのか、どのように情報を保持しておくのか、お客様の手間にならずに回答してもらえるかなど、運用者目線での構築や運用方法が極めて重要になると考えられます。

アプリの機能を理解するだけでなく、顧客の行動フロー、UI/UXの制約、データの活用方法を総合的に考えた設計が、成功の鍵となります。


次のステップへ:最適な設計、一緒に考えませんか?

この記事で、サンキューページとプロフィールページでの情報収集設計において、UI/UXの制約と顧客の行動フローを理解することがいかに重要かをお分かりいただけたかと思います。

しかし、「うちのストアではどの情報を優先すべき?」「他のアプリとの組み合わせはどうすればいい?」「Shopify Flowの設定方法が分からない」といった、より具体的な疑問をお持ちかもしれません。

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