特集記事

#Shopifyアプリ

Shopifyサンキューページでゲスト購入のお客様から基本情報を取得し会員に引き上げる仕組みの図解

 

ゲスト購入のお客様を会員に引き上げる:
サンキューページで基本情報を取得する

注文は増えているのに、リピート施策を打とうとするとメールもLINEも「送れる人」がなかなか増えない。そんな状態になっていませんか。顧客リストを開くと、姓名の欄が空のまま並んでいる行がいくつもある、というストアは少なくありません。

その多くは、ゲスト購入です。ログインせずに購入されたお客様も注文としては記録され、顧客レコード自体は作られます。ただ、そこにあるのはチェックアウトで必要だった情報だけで、会員として扱えるだけの情報が揃っていない状態です。

この状態を放置すると、購入者数は積み上がっているのに、セグメント配信やバースデー施策の母数が増えないという事態が起きます。LINEのID連携も、誕生日クーポンも、対象になるのは会員のお客様です。ゲスト購入の比率が高いストアほど、施策を打とうとした瞬間に「届く相手が思ったより少ない」ことに気づきます。

この記事では、ゲスト購入のお客様がCRM上どういう位置づけになっているのかを整理したうえで、AL CustomerMetaSync(メタシンク)のアップデートで可能になった、サンキューページでの基本情報の取得と、その先の会員化の導線設計についてお伝えします。

Shopifyサンキューページで顧客データを収集するためのAL CustomerMetaSyncとCRM PLUS on LINEの配置設計を解説した記事

1. ゲスト購入のお客様は、CRM上「顔が見えない」まま残っている

ゲスト購入と会員購入の違いは、購入体験の上ではわずかです。お客様から見れば、ログインする手間があるかないかくらいの差でしかありません。ところがストア側から見ると、その後にできることが大きく変わります。

ゲスト購入で残るのは、注文を成立させるために必要だった情報です。配送先の住所と、連絡先のメールアドレス。たとえば、誕生日も、好みのカテゴリも、プライバシーポリシーの同意など、記録されていません。

マイページが存在しないわけではありません。あとからログインしていただければ、そのまま使える状態にはなっています。ただ、開いたところで氏名をはじめとするお客様情報の欄が空白のままで、お客様から見ても自分の情報として見覚えのないページになっています。

そして見落とされやすいのが、この状態は「困っている」と自覚しにくいという点です。売上は立っていますし、顧客リストの件数も増えていきます。問題が表面化するのは、リピート施策を始めようとしたときです。セグメントを切ろうとしても条件に使える項目がない、LINEに友だち追加してもらってもShopifyの顧客と紐づかない、といった形で、後から効いてきます。

ゲスト購入のまま蓄積すると起きること

  • 購入者数は増えているのに、セグメント配信の対象者が増えない
  • 誕生日や興味関心といった、施策の起点になる情報が手元にない
  • マイページ自体は用意されているのに、氏名などの欄が空のまま放置される
  • ゲスト購入時、LINE連携アプリ側ではLINE連携導線も非表示となるため、ID連携数の導線設定がない

つまり、ゲスト購入の引き上げは「会員数を増やす」という話にとどまりません。その後の施策すべての母数を決める工程だと考えたほうが、優先順位を判断しやすくなります。


2. 会員化の導線は、どのタイミングに置くのが有効か

お客様に情報を入力していただくタイミングは、いくつかに分けられます。購入前、購入直後、購入後の再訪、そしてログイン後。それぞれ、届く相手も、答えてもらいやすさも違います。

タイミング 主な手段 届く相手 入力してもらいやすさ
購入前(ストア訪問時) ポップアップやバナーでの案内 まだ購入していない訪問者を含む全員 特典次第。閉じられるとそれまで
購入直後 サンキューページのフォーム ゲスト購入したお客様を確実に捕捉できる 買い物を終えた直後で、そのまま続けて答えてもらいやすい
購入後の再訪 注文状況ページのフォーム 配送状況を確認しに戻ってきたお客様 目的が別にあるため、ついでの入力になる
ログイン後 プロフィールページ すでに会員になっているお客様のみ 能動的に開いた画面なので入力の質は高い

このうち購入前の導線は、どれも「見ていただけたら」という前提の上に成り立っています。ポップアップは閉じられますし、バナーは素通りされます。買う気で来店された方ほど、寄り道せずにそのまま購入まで進んでいかれます。

つまり、入口をどれだけ丁寧に整えても、そこを通らずに買っていかれる方は必ず残ります。今回のテーマは、その取りこぼしを購入後に回収する話にあたります。

タイミングを選ぶときのポイント

  • ゲスト購入の比率が高いストアほど、購入直後の導線の効きが大きくなる
  • 単価が高く検討期間の長い商材ほど、購入前の案内だけでは取りこぼしが出やすい
  • 配送までに日数がある商材なら、注文状況ページも受け皿として機能しやすい
  • どのタイミングでも、入力していただく理由(特典や案内)が伴わないと反応は鈍い

どこか1つに絞る必要はありません。ただ、いきなり全部を並べると設定も検証も煩雑になるので、まずはゲスト購入の比率を確認したうえで、効きそうな1箇所から始めるのが現実的です。


3. アップデートで変わったこと:ゲストの方にだけ聞けるようになった

サンキューページにフォームを置くこと自体は以前から可能でしたが、今回のアップデートで「誰に、何を、どう見せるか」の精度が上がりました。ゲスト購入の引き上げという観点で関係が深いのは、次の4点です。

① 「ゲスト購入である」を表示条件にできる

フォームブロックの表示条件に、ゲスト購入かどうかという条件を設定できるようになりました。ログインして購入されたお客様にはフォームを出さず、ゲスト購入のお客様にだけ表示する、という出し分けができます。

基準になるのはログインしているかどうかです。すでに会員になっている方に同じことをもう一度尋ねてしまう、という気まずさを避けられるのは、運用の上ではかなり大きいと思います。

▼ゲスト購入の表示条件を設定した画面

AL CustomerMetaSyncのサンキューページ設定画面

② 姓名や電話番号が、お客様情報の連絡先に反映される

サンキューページと注文状況ページに限り、お名前や連絡先を尋ねるフィールドをフォームに並べられます。ここが少し特殊で、受け取った姓名と電話番号の行き先はメタフィールドではありません。Shopify管理画面の顧客詳細にある連絡先情報が、そのまま書き換わります。

顧客リストに名前が入る。地味な変化に見えますが、差し込み配信の宛名として使えますし、問い合わせが来たときに相手が誰なのかすぐ分かります。誕生日や各種の同意といった残りの項目は、これまでどおりメタフィールド側に収まります。

③ 入力済みの項目は表示されない

チェックアウトの時点で分かっている連絡先は、最初から埋まった状態で出てきます。過去に答えていただいてメタフィールドに値が入っている項目も、フォームには並びません。

お客様から見ると、残っているのはまだ答えていない項目だけです。同じことを何度も聞かれる煩わしさがない分、入力のハードルが下がります。

④ 任意のリンクボタンを設置できる

もうひとつ、Custom Link Buttonというブロックが増えました。これまでのフォーム用ブロックとは役割が違い、メタフィールドとは無関係に、指定した行き先へ飛ばすボタンだけを置けるものです。プロフィール・サンキュー・注文状況のいずれのページでも使えます。

フォームで基本情報を受け取ったすぐ下に、LINE公式アカウントの友だち追加ボタンや、開催中のキャンペーン、よくある質問への入口を並べておく。そんな使い方ができます。情報をいただいたあと、お客様に次は何をしてほしいのか。そこまで含めて1画面で組み立てられるようになった、と考えると使いどころが見えてきます。

▼Custom Link Buttonの表示イメージ

AL CustomerMetaSyncのゲスト購入者向けフォーム表示設定画面

注意:ページによって挙動が違います

  • お名前や連絡先を尋ねるフィールドが使えるのは、サンキューページと注文状況ページに限られます
  • プロフィールページはログインしないと開けないため、ゲスト購入という条件が成立する場面がありません
  • Custom Link Buttonは共通設定ではないので、置きたいページの数だけ設定することになります
  • 出たばかりの機能のため、設定画面の項目名は英語表記のままです

「どの項目まで聞くべきか判断できない」「どのページに置けばいいか分からない」という場合は、現状の整理からサポートします。


4. 集めた情報を、どこにつなぐか

情報を取得すること自体が目的になってしまうと、フォームは設置したものの何にも使われないまま、という状態になりがちです。設置する前に、集めた情報がどこに流れていくのかを決めておいたほうが、聞くべき項目も自然に絞れます。

送信されたタイミングはShopify Flowで拾えます。ここを起点に考えると、整理しやすくなります。

1
送信をきっかけに、その場でお礼を返す

ポイントの付与やクーポンの発行など、答えていただいたことへのお返しを自動で走らせます。入力してよかったと思える何かがその場にあるかどうかで、回答率は変わります。

2
取得した項目をセグメントの条件にする

誕生月、興味のあるカテゴリ、同意の有無といったメタフィールドは、そのままセグメントの条件として使えます。ここではじめて「誰に送るか」を選べる状態になります。

3
LINEなど、外部の配信チャネルにつなぐ

Shopifyの顧客データとLINEのIDが紐づいていれば、誕生日メッセージや購入後のフォローをLINE側で受け取っていただけます。ID連携の対象になるのは会員のお客様なので、引き上げの工程が効いてきます。LINE以外にもShopify Messagingアプリ(公式のメールアプリ)でも利用可能です。

逆にいえば、この3つのどれにもつながらない項目は、いま聞く必要がない可能性が高いということです。「あとで使うかもしれないから」で項目を増やすと、入力率が下がるだけで終わることがあります。


5. 設計で迷いやすい3つのポイント

聞く項目を増やしすぎない

サンキューページは、お客様が「買い終わった」と一区切りついた場面です。ここに項目の多いフォームが出てくると、そのまま閉じられます。まずは姓名と、施策に直結する1〜2項目から始めて、残りはログイン後のプロフィールページで少しずつ埋めていただく、という分け方が現実的です。何を最初に聞くべきかは、扱っている商材と、その後に打ちたい施策によって変わります。

入力していただく理由を用意する

「会員登録すると便利です」という案内だけでは、行動の理由としては弱いことが多いです。ポイント付与や次回使えるクーポンなど、その場で得られるものがあると反応が変わります。ただし、特典を強くしすぎると特典目当ての登録ばかりが増えることもあるので、このあたりのバランスはストアによります。

同意の扱いを曖昧にしない

メルマガやLINEの配信同意、プライバシーポリシーへの同意は、どこで、どういう文言で取得したかが後から問われる部分です。フォームの中でチェックボックスとして取得し、その内容をメタフィールドに残しておくと、後から確認できる状態になります。Custom Link Buttonで規約ページへの導線を並べておくのも、この文脈では有効です。

前提として、移行が済んでいるか

ここまでの構成は、新しいお客様アカウントへの移行が済んでいることが前提になります。とくにプロフィールページでの確認・編集は、移行なしには成立しません。

従来のお客様アカウントは非推奨化がすでに発表されており、機能追加も技術サポートも終了しています。今回のような機能が新しいお客様アカウント側にだけ増えていく状況は、今後も続きます。まだ移行されていない場合は、まずそちらの棚卸しからになります。

Shopify従来のお客様アカウント廃止前に確認すべき移行準備のポイントを解説した記事

6. よくある質問(FAQ)

Q1: サンキューページでフォームを送信してもらうと、自動的に会員登録されますか?

A: フォームを送っていただくことと、アカウントが作られることになります。受け取った姓名や電話番号は顧客の連絡先情報として更新され、残りの項目はメタフィールド側に収まります。新しいお客様アカウントはメールアドレスと認証コードでログインする仕組みのため、情報が揃った状態を先に作っておくことで、お客様が次にログインした時点でそのままマイページ(プロフィールページ)に反映されます。会員化の最後のひと押しをどう設計するかは、ストアの運用によって変わります。

Q2: サンキューページと注文状況ページ、どちらに置くべきですか?

A: 同じ設定はどちらのページでも可能です。サンキューページは買い物を終えた直後なので、そのまま続けて答えていただきやすい反面、一度閉じられると二度と開かれません。注文状況ページは配送状況の確認などで後から見に来る可能性があるため、取りこぼしの受け皿になります。商材の単価や配送までの日数によって有効なページは変わるため、両方に置いて様子を見る判断もあります。

Q3: すでに会員のお客様にもフォームが表示されてしまいませんか?

A: 表示条件に「ゲスト購入である」を指定しておけば、ログインした状態で購入されたお客様には出ません。判定の基準になるのはログインの有無です。そのため、ログインしていないと開けないプロフィールページでは、この条件が成立する場面がそもそもありません。

Q4: チェックアウトで入力済みの情報を、もう一度聞くことになりませんか?

A: 重複して尋ねることにはなりません。チェックアウトの過程で分かっている連絡先は最初から埋まった状態になりますし、過去に答えていただいてメタフィールドに値が入っている項目は、そもそもフォームに並びません。お客様の画面に残るのは、まだ答えていない設問だけです。

Q5: 従来のお客様アカウントのままでも使えますか?

A: AL CustomerMetaSyncは新しいお客様アカウントを前提としたアプリです。とくにプロフィールページでの情報の確認・編集は、移行が済んでいることが前提になります。ゲスト購入の引き上げは「入口で情報を集めて、ログイン後のマイページで育てる」という流れで効果が出るため、まずは移行の準備状況から確認することをおすすめします。


7. まとめ

ゲスト購入のお客様は、注文としては記録されていても、CRMの観点では手が届きにくいところに残っています。購入直後という関心の高い瞬間に基本情報を取得しておくことで、その後の施策の母数そのものが変わってきます。

この記事のポイント

  • ゲスト購入は顧客レコードこそ残るが、会員として扱える情報が揃っていない
  • 問題は施策を始めようとした段階で表面化するため、気づくのが遅れやすい
  • アップデートにより、ゲスト購入のお客様にだけフォームを表示できるようになった
  • 姓名や電話番号はお客様情報の連絡先に反映され、入力済みの項目は再度表示されない
  • Custom Link Buttonで、情報取得のあとの次の行動への導線もあわせて置ける
  • いずれも新しいお客様アカウントへの移行が前提になる

どの項目をどのページで聞くのが適切かは、ゲスト購入の比率や商材、その後に打ちたい施策によって変わります。まずは自店のゲスト購入がどれくらいあるのかを確認するところから始めてみてください。

サンキューページのアプリブロック配置順序とLINE連携を組み合わせた顧客データ収集設計の解説記事 Shopify従来のお客様アカウントの廃止に備えて移行前に確認すべきことを解説した記事

ゲスト購入の引き上げについてお悩みはありませんか?

この記事で、サンキューページでの情報取得と会員化の考え方についてはご理解いただけたかと思います。

しかし、「自店のゲスト購入がどれくらいあるのか把握できていない」「どの項目を聞けばいいのか決められない」「集めたあとの活用まで設計できていない」といった疑問も残っているかもしれません。

こんなお悩みはありませんか?

  • 「ゲスト購入が多いのは分かっているが、何から手をつければいいか分からない」
  • 「フォームの項目を増やすと入力されなくなりそうで、線引きに迷っている」
  • 「集めた顧客情報をShopify FlowやLINEやメール配信につなげたい」

顧客情報の取得から活用までの設計や、CRM施策の組み立てなど、
初回購入・リピート購入につながる顧客導線の設計を通じて、
ストアに合った仕組みづくりをサポートします。

Shopifyストアの運用改善について、お気軽にご相談ください。

※無料相談会では、押し売りは一切ありません。
あなたのストアの現状をお聞きし、最適な施策を一緒に考えます。

0件のコメント

この記事への感想をお聞かせください

この記事への感想をお聞かせください。なお、スパム対策としてコメントは承認制を採用しています。

前の記事 これが最初の記事です
次の記事 これが最新の記事です

よく読まれている記事