Shopify LINE連携の「ID連携」と
「友だち追加」の違いを分かりやすく解説
「ShopifyとLINE公式アカウントを導入したのに、お客様の購入状況に合わせたメッセージが送れない…」お客様の購入履歴や誕生日情報など会員情報に合わせたメッセージを送るにはどうしたらいいのでしょう。
この問題の答えは、「友だち追加」だけではなく「ID連携」が必要という点にあります。
ShopifyとLINE連携を始めたばかりのストアオーナー様からよく聞かれるこの疑問について、約4年のサポート経験をもとに、仕組みを分かりやすく解説します。
POINT!
この記事で解説するのは、Shopifyの顧客データ(購入履歴など)を使った「CRMメッセージ」についてです。電話番号だけで送れる「LINE通知メッセージ」(発送通知など)とは異なる点にご注意ください。
目次
- 「友だち追加」と「ID連携」の決定的な違い
- Shopify LINE連携で「ID連携」が必須な3つの理由
- ID連携の導入でよくある3つの落とし穴
- Shopify側での目印:「line」顧客タグの役割
- データ連携のルール(一意性)について
- ID連携率を大きく改善したストアの成功事例
- よくある質問(FAQ)
1. 「友だち追加」と「ID連携」の決定的な違い
まず、この2つの言葉の違いを、お店でのやり取りに例えてみましょう。
| 項目 | 友だち追加のみ | ID連携済み |
|---|---|---|
| お店での例え | お店に「入店した」だけ | 会員証と顔を「紐付けた」状態 |
| できること | 全員に同じメッセージを送る | 特定の人にだけメッセージを送る |
| 顧客の識別 | できない(誰が誰だか分からない) | できる(Shopifyのどのお客様か分かる) |
LINE公式アカウントを「友だち追加」しただけでは、ストア側からはそのお客様が「Shopifyストアの会員である〇〇さん」なのか、それとも「まだ購入したことのない△△さん」なのか、全く区別がつきません。
そこで、Shopify連携アプリ(CRM PLUS on LINEなど)を使って、お客様に「ID連携」をしてもらう必要があります。ID連携とは、お客様の「LINEアカウント」と「Shopifyの顧客ID(会員情報)」を紐付ける作業です。
このID連携が完了して初めて、ストアは「このLINEユーザーは、Shopifyで3回購入してくれた〇〇様だ」と認識できるようになります。
ご質問への回答
「メッセージ配信に必要なのは?」という最初のご質問への回答は、「ID連携」と「友だち追加(未ブロック)」の2段階、となります。多くの連携アプリでは、ID連携のプロセスに友だち追加も含まれているため、実質的には「ID連携をしてもらう」ことが必須条件となります。
2. Shopify LINE連携で「ID連携」が必須な3つの理由
では、なぜID連携が必要なのでしょうか。
まず大前提として、ID連携は「お客様にとっても」メリットがあります。お客様は、自分の購入履歴や好みに合わせた情報を受け取ることができ、より便利で快適なショッピング体験を得られます。
そして、ストア側としては、Shopifyの顧客データを活用した、お客様一人ひとりに合わせたメッセージ配信を実現できるようになります。
お客様にとってのメリット
- 自分が興味のある商品カテゴリーの新着情報だけを受け取れる
- 購入履歴に基づいた、自分に合ったおすすめ商品の案内が届く
- お気に入り商品の再入荷通知を自動で受け取れる
- カートに入れたまま忘れていた商品を、タイムリーにリマインドしてもらえる
つまり、ID連携は「ストアの都合」ではなく、「お客様により良い体験を提供するため」に必要な仕組みなのです。
では、具体的にどのような配信が可能になるのか、3つの理由をご紹介します。
理由1: Shopifyのデータを使ったセグメント配信
Shopifyに蓄積された顧客タグ、注文回数、購入履歴などを使って、メッセージを送る相手を細かく絞り込めます。
- 「ワンピースを購入したことがあるお客様」だけに、新作ワンピースの先行案内を送る
- 「過去3ヶ月間購入がないお客様」だけに、特別なクーポンを送る
理由2: デザイン性の高いメッセージ(Flex Message)
LINE公式アカウントの標準機能では送れない、画像やボタンを自由に配置した、デザイン性の高いメッセージ(Flex Message)を送ることができます。購入完了通知や発送通知を、よりブランドイメージに合った形でお届けできます。
理由3: リッチメニューの「出し分け」
トーク画面の下部に表示されるリッチメニューを、お客様の状態(例:ID連携済みか、未連携か)によって自動で切り替えることができます。連携済みのお客様には「会員証」ボタンを表示する、といった活用が可能です。
これらの「お客様一人ひとりに合わせた」特別な体験を提供するためには、システムが「今、相手が誰なのか」を認識できる状態、すなわち「ID連携」が不可欠なのです。
3. ID連携の導入でよくある3つの落とし穴
ここまで読んで、「ID連携の仕組みは分かった!さっそく設定してみよう」と思われたかもしれません。しかし、仕組みを理解することと、実際に成果を出すことは別物です。
サポートする経験の中で、多くのストアオーナー様が以下のような「落とし穴」にはまっているのを見てきました。
落とし穴1: ID連携の導線を作ったのに、期待したほど連携率が伸びない
よくあるお悩み
サンクスページに「LINE連携してください」というボタンを置いたけれど、連携率が5~10%程度で伸び悩んでいる...
背景: お客様にとってのメリットが不明確だと、「なぜ連携する必要があるの?」という疑問に答えられず、連携してもらいにくくなります。
成功しているストアの共通点:
- 「LINE連携で500円OFFクーポン」など、明確なメリット提示
- サンクスページ、マイページ、Instagram、複数の導線を設計
- 「再入荷通知をLINEで受け取れます」など、継続的な価値を伝える
落とし穴2: ID連携数は増えたけど、ブロック率も急上昇
よくあるお悩み
ID連携キャンペーンで友だちが1,000人増えたが、2週間後にはブロック率が30%超に...
背景: 連携後のコミュニケーション設計が不十分。クーポンだけ渡して放置、または全員に同じメッセージを送りすぎている。
成功しているストアの共通点:
- ID連携直後に「ウェルカムメッセージ」で期待値を設定
- セグメント配信で、お客様に合ったメッセージを送る
- 配信頻度を適切に管理(週1-2回が目安)
落とし穴3: 「line」タグはあるけれど、効果的な活用ができていない
よくあるお悩み
「line」タグが付いているのは分かるけど、Shopify Flowやセグメント配信で、具体的にどう活用すればいいのか分からない...
背景: ID連携の仕組みは理解できても、実際の活用方法(Shopify Flowの設定、メッセージマネージャーの使い方、セグメント設計)には、ある程度の経験やノウハウが必要です。
効果的に活用しているストアの特徴:
- 「line」タグを使った自動化(カゴ落ちリマインド、再入荷通知など)
- 「lineタグ + 初回購入者」など、複数条件の組み合わせ
- Shopify Flowで、購買行動に応じた自動メッセージを送る
このような施策設計には、ストアごとの商材やお客様の特性に合わせたカスタマイズが重要です。もし「どこから手をつければいいか分からない」という場合は、経験者に相談してみるのも一つの方法です。
4. Shopify側での目印:「line」顧客タグの役割
では、Shopify側では「ID連携済みのお客様」をどうやって見分けているのでしょうか。その答えが「顧客タグ」です。
CRM PLUS on LINEのような連携アプリを通じてお客様がID連携を完了すると、そのお客様のShopifyの顧客情報に、自動で「line」というタグが付きます。
この「line」タグは、Shopify Flowやメッセージ配信機能で、「この人はLINE連携済みである」という目印(フィルター)として機能します。
- 役割: 「line」タグが付いているお客様だけを対象に、メッセージを送るための条件として使います。
- 更新: もしお客様がLINE連携を解除した場合、この「line」タグは自動で削除されます。
このタグがあるおかげで、「LINE連携済みの初回購入者」といった、より細かなターゲティングがShopify上で簡単に実現できるのです。
あわせて読みたい:このブログについて
筆者自身も4年前に同じ「ID連携」の壁にぶつかりました。その実体験とサポート経験を綴っています
5. データ連携のルール(一意性)について
最後に、データ連携の基本的なルールについてです。
「1つのメールアドレス(Shopifyアカウント)に、複数のLINEアカウントを連携できますか?」というご質問もいただきますが、答えは「No」です。
ID連携は、Shopifyの「1つの顧客アカウント」に対して、お客様の「1つのLINEアカウント」が紐付けられる仕組みです。これにより、データが重複することなく、ストアは常に正しいお客様情報に基づいてメッセージを送ることができます。
あわせて読みたい:「CRM PLUS on LINE」とは?LINE公式アカウントとの違いを徹底比較
LINE公式アカウントとの違いが気になる方はこちらもご覧ください
6. よくある質問(FAQ)
Q1: 「友だち追加」だけではメッセージを送れないのですか?
A: 全員に同じメッセージを送る「一斉配信」は可能ですが、Shopifyの顧客データ(購入履歴など)を使った「セグメント配信」には、ID連携が必須です。
Q2: ID連携は、お客様にとって面倒ではないですか?
A: 最近の連携アプリでは、ワンクリックで完了する仕組みが多いです。お客様にメリット(限定クーポンなど)を提示すれば、スムーズに連携してもらえます。
Q3: Shopifyの「line」タグは、手動で付けるものですか?
A: いいえ、連携アプリが自動で付与・削除します。ストア側で手動操作は不要です。
Q4: 1つのShopifyアカウントに、複数のLINEアカウントを連携できますか?
A: できません。1つの顧客アカウントに対して、1つのLINEアカウントのみ連携できます。これにより、データの重複を防いでいます。
Q5: ID連携済みのお客様が友だちブロックしたら、どうなりますか?
A: ブロックされると、メッセージは届きません。ただし、ID連携自体は解除されません(お客様が再度ブロック解除すれば、メッセージが届くようになります)。
次のステップへ:「仕組み」は分かった。でも、実際にどう始める?
この記事で、「ID連携」の仕組みと重要性をご理解いただけたかと思います。
しかし、仕組みを理解することと、実際に成果を出すことは別物です。
こんな悩みはありませんか?
- 「ID連携の導線を作ったけど、連携率が思うように伸びない」
- 「Shopify Flowやメッセージマネージャーの使い方が、正直よく分からない」
- 「どのタイミングで、どんなメッセージを送れば効果的なのか分からない」
- 「他のストアは、具体的にどんな施策をしているのか知りたい」
LINE連携のサポート経験を持つ私が、あなたのストアの状況をヒアリングし、以下をサポートします:
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